デザイナー:Klaus-Jürgen Wrede
プレイ人数:2~5人
プレイ時間:30~45分
勝利条件:勝利点の多い方が勝ち
ゲーム概要:フランスの城塞都市カルカソンヌをモチーフにしたタイルゲームです。タイルを引いて配置します。タイルを配置した時ミープルと呼ばれる自分の手駒をそのタイルに置く事ができます。置く事ができるのは街や道などのイラストが描いてあるところです。その街や道が完成すると勝利点を得ることができ、ゲーム終了時に多くの勝利点を持っている人の勝利です。
ゲーム説明:このゲームのデザイナーは8鍋で紹介した「ポンペイ」と同じ作者で、この「カルカソンヌ」こそが彼の代表作と言って良いでしょう。2001年のドイツ年間ゲーム大賞を受賞しており、ドイツゲームを代表するボードゲームの1つです。簡単なルールの為初心者にも最適なゲームで、実際私も最初に遊んだゲームがこのカルカソンヌでした。木製の手駒や上質なタイル、そしてタイルを繋げて地図が広がっていく様は、今まで遊んだ事のある日本のゲームには無かったもので、とても衝撃を受けました。記念すべき10作目のレビューはカルカソンヌにしようと、実はかなり前から決めていました♪そうそう、このミープルという手駒は、ドイツゲームの象徴的な存在となっており、色んなところで目にします。なんとも愛着の湧いてくるフォルムをしていると思いませんか?
※現在流通しているカルカソンヌはカルカソンヌJというタイトルで、ここで紹介しているカルカソンヌは旧版になります。私はこの旧版のデザインが好きで、あえてこちらの仕様でレビューしております。最後に紹介しますが、カルカソンヌには拡張が多数出ています。旧版と新版では微妙にイラストが違うので、それぞれ専用の拡張を使用しないと違和感が出てしまいますので注意してください。
これが使用する地形タイルです。
全部で24種類72枚です。
下の5枚はほんの一例ですが、左から紹介していくと、まず修道院のあるタイルです。その隣は紋章付きの街タイル。真ん中は街が2つあるタイル。で、その隣が道があるタイル。一番右は街しかないタイルです。
このタイルの質感といい厚みといい、とても上質な感じがします。
地形タイルの裏はこんなデザインになっていて、1枚だけ色が反転しています。これはスタートタイルで、この地形タイルからスタートします。
スタートタイルのデザインはこんな感じ。街、草原、道と、全ての要素を備えてます。
ミープルという駒です。プレイヤーは1色選んで8個の駒を受け取ります。
これは得点ボードです。こんな感じで駒を1つ使って得点を記録します。
まずはセットアップ。
最初に先程のスタートタイルを置きます。
自分の色の駒を1つ得点ボードに置きます。
その他のタイルは適当にいくつかの山を作ってこんな感じで置きます。基本的に自由です。
これでセットアップ完了です。
手番ではまずタイルを一枚引きます。どこから引いても良いです。
このタイルを引きました。
これをスタートタイルにくっつけます。
例えばこんな感じ。
こんな置き方もオッケーです。
これもオッケーです。地図が繋がっていたらオッケーなんです。
地形タイルを置いたらそこに自分の駒を置く事も出来ます。置かなくても良いです。
地形タイルを置いたときにのみそのタイルに駒を置く事ができるので、前の手番で置いたタイルには置く事はできません。注意してください。
置ける場所は、道、街、草原、修道院、に置く事ができます。
駒を置くと、そこから繋がっている道なり街に対して所有権を得ることができます。
例えばこれは道に置いた場合のケースですが、この繋がっている道はこの駒のものとなります。
これが得点に繋がっていくのですが、どうすれば得点になるのかは後述します。
街に置くとこんな感じ。
これは草原に置いた状態です。
草原に置くときは寝転がらせて置きます。道路や街や修道院は完成すると手元に駒が戻ってきますが、草原に置いた駒はゲーム終了まで戻ってきません。
草原ルールについては後述します。
タイルを引いて、置いて、駒の配置を終えたら手番終了です。
では次のプレイヤーの手番です。
同じように好きなところから1枚引きます。
引いたタイルはこれでした。
例えばこんな置き方は出来ません。地形が繋がっていません。
これもダメ。全く繋がっていません。
これはオッケー。
タイルを置いたら駒を置けると書きましたが、これはダメなケースです。
赤プレイヤーが主張しようとした道は青プレイヤーに繋がっており、既に青プレイヤーのものです。
このように配置した地形が繋がっていて、その先に相手のプレイヤーがいる場合は所有権を得ることはできません。
はい、これはオッケーです。
では次に、複数の駒が同じ地形で所有権を主張してしまう状況を説明します。
例えば青のプレイヤーがこのタイルを引きました。
こんな感じで街に駒を置きました。角と角で他の街と接触していますが、辺で接している訳ではないので、現時点では別の街と認識されます。その為、青プレイヤーは駒を置く事ができます。
本当は赤プレイヤーの手番ですが、まぁ説明という事でご容赦ください(笑)
青プレイヤーの手番でこのタイルを引きました。
ここに置きました。さっきまで別々だった街が繋がって1つの街になりました。その結果、この街には赤と青のプレイヤーの駒が存在することになりました。この後この街にタイルを繋げても、やはり街に駒を置く事はできません。今回のケースのように、元々別の街に存在していた駒が、結果的に同じ街になってしまったというケースの場合のみ複数存在する形になります。これは道においても同じです。
街や道が完成すると得点がもらえますが、自分の駒しか無かった場合は自分だけが得点を得る事ができます。しかし、他のプレイヤーがいる場合は違います。同数の駒であった場合は双方が同じ得点を獲得し、駒の数に差がある時は、数の多いプレイヤーのみが得点を獲得します。つまり、配置した駒の数で負けたプレイヤーは、駒を配置していたにも関わらず得点を得る事ができません。
このテクニックは非常に重要ですので、よく覚えておきましょう♪
例えばこれが
こうなって
こうなった場合、これもさっきの街と同じで、別の道が結果的に繋がり、赤と青プレイヤーの道になったという事です。もちろん、赤はこうなる事を狙っていました。こうする事で相手プレイヤーに得点を独占される事を防げます。青からしたらたまったもんじゃないですよね。お前なにしてくれてんだよーっていうぼやきが聞こえてきそうです(笑)
では得点の説明です。
この道はまだ完成していません。道や街や修道院は完成した時点で得点となります。
分かれ道や街に繋がった道はそこが端になります。両端が端になった時点で道は完成となります。
完成すると駒が自分のストックに帰ってきます。これでこの駒はまた使えます。
得点計算方法ですが、道は構成するタイル1枚につき1点が得点となります。なのでこの道は4点です。
得点マーカーを動かします。
街はこんな感じで外周が塀で囲まれると完成です。
街はタイル1枚につき2点です。紋章が描かれている場合、紋章1つにつき2点が追加でもらえます。
なので、この赤プレイヤーの街は8点となります。
例えばこんなケースでは、赤は無得点です。
この場合の青も無得点となります。
次に修道院の説明をします。
修道院はこんな感じのイラストで、道が付いているものもあります。
駒を置く時はこんな感じで置きます。
修道院は、修道院のタイルを中心として3×3の9マスを埋めたら完成です。
道や街と同様、完成したら駒は手元に戻ってきます。
これで修道院完成で9点の獲得です。
このタイル置き場はいつもお世話になっているデザイナーさんが作ったものです。このサイトでちょいちょい出てくる山札置き場とかカードスタンドとか、全部ほんと素晴らしい出来なので、今度日記枠で紹介させて頂きたいと思います♪
では赤プレイヤーと青プレイヤーによる模擬プレイを開始します。
最も若いプレイヤーがスタートプレイヤーとなり、以下時計回りで手番が回ります。
今回は2人プレイです。2人プレイに伴うルールの変更は特にありません。
青プレイヤーからスタートします。
このタイルを引きました。
上に繋げて街に駒を置きました。
赤プレイヤーはこれを引いて、
下に繋げて街に駒を置きました。
青プレイヤーは修道院を引きました。
ここに繋げて駒を置きました。
赤プレイヤーはこれ。
そんでここ。
青プレイヤーはまた修道院を引き、
お隣さんができました。
赤プレイヤーも修道院。かたまって出過ぎじゃない?(笑)
3マス利用できるのでここに置きました。
青プレイヤーはこれを引き、
道を繋げました。修道院とも絡むので一石二鳥だね。
赤プレイヤーは街のタイルを引きました。
遂に街が1つ完成しました。さてこの街で赤プレイヤーは何点取得できるでしょうか?
正解は8点でしたー。
街は1枚2点です。この街は3枚のタイルで構成されているので2×3で6点。それに加えて紋章が1つ描かれているので、2×1で2点。合計8点です。
街や道や修道院が完成すると駒が手元に帰ってきますので、また使うことができます。
「ただいまー!」
「おかえりー。」
青プレイヤーはこれを引き、
ここに繋げて街を拡大。
赤プレイヤーはこれを引き、
街が完成して駒を回収しました。
4点獲得♪
青プレイヤーの手番。またしても修道院!!( ゚Д゚)
この列修道院3つ目。今更ですが修道院を構成するタイルは、他の修道院と被ってもなんら問題ありません。
赤プレイヤーはこのタイルを引きました。
ここに置きました。順調に修道院周りを埋めています。
青プレイヤーはこのタイルを引き、
ここにハメました。。気持ちいい~!
あ、でも赤プレイヤーの修道院完成の片棒担いじゃってる・・・。
赤プレイヤーはこのタイルを引き、
ここの位置にタイルを置き、街には駒を配置しました。
と、同時に街が完成!
完成したので今置いた駒は即座に回収となります。
4点獲得!
なんかずるっぽい1手ですが、ルール上問題無いので積極的に狙っていきましょう!
さて、こんなペースでレビューしていくと恐ろしい枚数の写真を貼る事になるので、ペースアップしていきたいと思います(笑)
巻き返しを図りたい青プレイヤーが街を完成させました。
2×4+2で10点ですね。
猛追開始!
赤プレイヤーは交差点のタイルを引き、そこの草原に駒を置きました。
先程ちらっと書きましたが、草原に置く場合は寝転がる形で置き、ゲーム終了まで手元に戻ってきません。
さて、ここで草原ルールの説明をしたいと思います。
ゲーム終了時、自分の駒が置かれた草原に隣接した「完成された街」1つにつき3点がもらえます。
草原の範囲(境界)は、街の塀や道、あとはタイルの最端で区切られます。下の公式ルールブックを見てください。
左の赤枠タイルを青プレイヤーが置き、そこの草原に駒をを置いたシーンです。
この時点で青プレイヤーに草原範囲はこのタイルのみですが、完成した街が1つ隣接しているので、もしこのままの状態でゲーム終了になった場合3点が貰えるという事になります。駒の下にある街は完成していませんので、下の街に対しての点数は貰えません。
次に中央の図です。赤プレイヤーはこの赤枠の位置にタイルを置き、草原に駒を置きました。
街や道と同じように、他の人の草原に駒を置く事は出来ませんが、ここは青プレイヤーの草原ではありませんので駒を置く事ができます。
そして右の図。これは赤の手番のシーンですね。赤はここにタイルを置きました。するとどうでしょう。青の草原は「青と赤の草原」となってしましました。街や道と同じように、結果的に一緒になってしまうのはアリです。これで赤と青が点数を貰えることになります。当然赤は狙って草原に配置し、タイルを置いて繋げたのです。このあと同じ手法で青プレイヤーがこの草原に駒を置いて数的優位に立てば、青だけの草原となり得点を独占する事ができます。
下の図では、右下に置かれたタイルによって3つの草原が1つに繋がったので、赤だけが得られるはずだった街1つ分の3点が、青と黄も貰えることになってしまいました。
ゲームが終わった時、下のような地形だった場合、それぞれの草原で誰が何点貰えるのか見てみましょう♪
水色の草原・・・青プレイヤーが3点×街2つで6点獲得。
灰色の草原・・・赤プレイヤーと青プレイヤーが3×3で9点獲得。
黄緑色の草原・・・黒プレイヤーは得点を獲得できず、黄プレイヤーのみ23×4で12点獲得。
となります。
草原は最後に大逆転を生み出す事もあるのでしっかり覚えましょう!
では再開します。
青プレイヤーはこのタイルを引きました。
道に置きました。そして、さっきの赤プレイヤーの街と同様、置いた瞬間完成しました♪
駒は即座に回収します。
追いついてきた!
赤の手番。街のあるタイルを置き駒も配置しました。
ちょっとゲームが進んで赤の手番。
このタイルを引きました。
ここに置いて修道院完成です。周囲3×3の9点獲得です。
やっと修道院の駒を回収できました。修道院に置くとなかなか帰ってこないんですよね。
青プレイヤーはまた突き放されてしまいました。
青プレイヤーはこれを引きました。
タイルをこんな感じに置いて、街に駒を置きました。
赤プレイヤーの街が完成してしまったら大変な事になってしまうのでこの街に便乗するのが狙いでしょう。
赤プレイヤーはこれを引きました。
こんな感じに置きました。青プレイヤーが便乗しに来たので、負けないように更に駒を増やして街の得点を独占するのが狙いです。
ペースアップして行きましょう!少し進んだ場面です。
赤プレイヤーは左下にタイルを置き、道に駒を置きました。
青プレイヤーはこのタイルを引きました。
あれ、いつの間にか左上の街で青プレイヤーが便乗に成功していますね(笑)
こんな感じに置きました。草原も重要なので便乗を狙ってこの置き方をしました。
途中経過。
今の全体図はこんな感じ。左下の赤草原はやばいですねぇ。
点差はこんな感じで、いつの間にか青プレイヤーが抜き去っています。
残りのタイル枚数はこんな感じ。
おお!
赤プレイヤーの手番ですが、ついに待望のタイルを引きました。
どーーん!
これは青やばいです。
青プレイヤーもドンピシャタイルを引き当てました。
ここです。これで修道院完成です♪
駒を回収しました。
終盤で4辺全てが指定されたタイルを引き当てるのはなかなか大変なので、青プレイヤーは修道院の完成を諦めていたかもね。
さて、全てのタイルを引いたので最後の得点計算に入ります。
現時点の得点ボードでは蒼プレイヤーが2周目に入りリードしています。
ではまず、赤プレイヤーから計算していきましょう。
この街は未完成ですが、ゲーム終了時に未完成の街は1タイルにつき1点貰えます。紋章も1つ1点です。
この街にいる駒は青1個、赤2個です。数で勝っている赤の街なので青プレイヤーは無得点です。
赤プレイヤーは1点×9枚+紋章4つで合計13点獲得です。
赤プレイヤーは13点進みました。
ここは未完成の道です。
未完成の道も1タイルにつき1点なので、これで4点です。
4つ進んでここ。
草原の得点計算は置いておいて、次は青プレイヤーの計算を行います。
未完成の修道院も1枚1点なので、この修道院で8点獲得です。
逃げる青プレイヤー。
この道で5点獲得。
この道は8点。
合計13点進みました。大量リードです。
さて、いよいよ草原の計算を行います。草原ごとに見ていきましょう。
この赤の草原に隣接している「完成した街」は2つなので3点×2つで6点獲得です。
追撃開始!
この草原、写真が下手くそ(;´Д`)で申し訳ありませんが、上の街は完成していません。なので完成した街は1つなので青プレイヤーは3点獲得です。
最後の草原は広範囲です。境界は見えていますでしょうか?
赤3つ対青2つです。これはやばい(笑)
隣接している「完成した街」は9個もあります!
3×9でなんと27点!しかも赤プレイヤーが独占。
ここから...
どかーーん!
赤プレイヤーが青プレイヤーを華麗に抜き去りました!
赤プレイヤーの勝利です。
やはり草原は軽視できませんね。
今回完成した地図です。
同じ地図は2度とできないでしょう。そういうところがカルカソンヌの最大の魅力だと私は思っています。
公式ルールブックにはそれぞれのタイルが何枚あるのか記載されています。
ガチンコ勝負するなら全て覚えてカウンティングする必要があるでしょう。
実際、カルカソンヌは世界大会も行われており、タイルの構成を頭に入れてないと話にならないと思います。
でも、自分はあえて覚えないようにしています。それはカルカソンヌ初心者と遊ぶ時に差が出てしまう気がするからです。いずれはしっかり覚えて、戦略も研究して大会とか出てみたいですが、まぁ今のところはエンジョイ勢として楽しみます♪
カルカソンヌはたくさんの拡張が発売されています。
うちにある拡張は以下の通りです。
いつも拡張を入れずに遊んでいるのですが、これから拡張も入れて遊んでいきたいと思います。そのうちレビュー出来たらいいなぁ。
一番右のでっかい箱はビッグボックスです。これは第5版だったかな。基本セットと5つの拡張が入っています。単体で持ってる拡張と被ってるけど気にしませーん(笑)
この「王女とドラゴン」に入ってるドラゴン駒が最高な感じです♪かっこいい!
1番右に置いてある「塔」には裏面に記載されているタイルホルダーが入ってます。
ビッグボックスの裏にはヴレーデさんも写ってらっしゃいますね。
今回紹介したカルカソンヌは本当に好きなゲームです。
初めてプレイしたドイツゲームという事で思い入れも強いです。
PSVRを発売日に秋葉原で購入し、その足でボードゲームカフェ「コロコロ堂」さんへ行き、初めてカルカソンヌをプレイしました。その時はとにかくゲームシステムとコンポーネントの質感に感動し、他にも色々とやってみたいと思いました。最新のゲームを持ってボードゲームをしたのも良い思い出になってます♪
このゲーム、2人でプレイしてもかなり楽しいです。おすすめですよ。世界大会も2人プレイらしいです。
自分は婚約や結婚した友人達にプレゼントしてます。喜ばれているはずです。たぶん(笑)
ちなみに、PSVRでやるバイオハザード7は神ゲーですよ♪(∩´∀`)∩
ごちそうさまでした。(๑´ڡ`๑)